1INKSCAPE(1)                Inkscape Commands Manual                INKSCAPE(1)
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3
4

名前

6       Inkscape - SVG (Scalable Vector Graphics) 編集プログラム
7

書式

9       "inkscape [options] [filename ...]"
10
11       options:
12
13           -?, --help
14               --usage
15           -V, --version
16
17           -f, --file=FILENAME
18
19           -e, --export-png=FILENAME
20           -a, --export-area=x0:y0:x1:y1
21           -C, --export-area-page
22           -D, --export-area-drawing
23               --export-area-snap
24           -i, --export-id=ID
25           -j, --export-id-only
26           -t, --export-use-hints
27           -b, --export-background=COLOR
28           -y, --export-background-opacity=VALUE
29           -d, --export-dpi=DPI
30           -w, --export-width=WIDTH
31           -h, --export-height=HEIGHT
32
33           -P, --export-ps=FILENAME
34           -E, --export-eps=FILENAME
35           -A, --export-pdf=FILENAME
36               --export-pdf-version=VERSION-STRING
37               --export-latex
38
39           --export-ps-level {2,3}
40
41           -T, --export-text-to-path
42               --export-ignore-filters
43
44           -l, --export-plain-svg=FILENAME
45
46           -p, --print=PRINTER
47
48           -I, --query-id=ID
49           -X, --query-x
50           -Y, --query-y
51           -W, --query-width
52           -H, --query-height
53           -S, --query-all
54
55           -x, --extension-directory
56
57               --verb-list
58               --verb=VERB-ID
59               --select=OBJECT-ID
60
61               --shell
62
63           -g, --with-gui
64           -z, --without-gui
65
66               --vacuum-defs
67
68               --g-fatal-warnings
69

説明

71       Inkscape Adobe IllustratorCorelDrawXara Xtreme
72       などと同等の機能を持つ Scalable Vector Graphics (SVG)
73       形式の描画ファイル用 GUI エディターです。Inkscape
74       は多彩なシェイプ、ベジエパス、フリーハンド描画、複数行テキスト、パス上テキスト、アルファブレンディング、任意のアフィン変換、グラデーションおよびパターンフィル、ノード編集、PNG
75       や PDF
76       を含む多くのファイル形式に対応するインポートおよびエクスポート、グループ化、レイヤー、ライブクローンなど多くの機能を具備しています。そのインターフェイスは熟練ユーザーにとって快適で効率的であるとともに、GNOME
77       標準にも準拠するよう設計されてもいるため、他の GNOME
78       アプリケーションをよく知るユーザーであれば慣れるまでに多くの時間を必要としません。
79
80       SVG は W3C 標準の 2D ベクターグラフィック用 XML
81       フォーマットです。描画内でポイント、パス、および基本シェイプを使用してオブジェクトを定義できます。配色、フォント、ストローク幅などは
82       `style' 属性としてオブジェクトに指定されます。SVG
83       は、標準であること、そのファイルは text/xml
84       であることを意図しているため、多くのプログラムと、そして幅広い用途での利用が可能です。
85
86       Inkscape は SVG
87       をその内部フォーマットとして採用しており、オープンソースコミュニティにおいてもっとも
88       SVG に準拠したドローイングプログラムになることを目標としています。
89

オプション

91       -?, --help
92               ヘルプメッセージを表示します。
93
94       -V, --version
95               Inkscape のバージョンとビルド日時を表示します。
96
97       -a x0:y0:x1:y1, --export-area=x0:y0:x1:y1
98               PNG エクスポートにおいて、エクスポートする領域を SVG
99               ユーザー単位 (通常 Inkscape SVG 内で使用されている長さの単位)
100               で指定します。デフォルトではドキュメント全体をエクスポートします。座標
101               (0,0) は左下の角になります。
102
103       -C, --export-area-page
104               PNG、PDF、PS、および EPS
105               エクスポートにおいて、エクスポート領域はそのページになります。これは
106               PNG、PDF、および PS ではデフォルトになるため、--export-id
107               を使用して指定オブジェクトをエクスポートする場合を除き指定する必要はありません。対して
108               EPS ではこれはデフォルトになりません。さらに EPS
109               では、形式の指定において境界枠を内容より拡大することができません。これは、EPS
110               エクスポート時に --export-area-page
111               を使用した場合、ページの内容が境界枠より小さいと境界枠もそれに合わせて小さくなることを意味します。
112
113       -D, --export-area-drawing
114               PNG、PDF、PS、および EPS
115               エクスポートにおいて、エクスポートされる領域はページではなく、その描画部分、すなわち、ドキュメント内のすべてのオブジェクト
116               (--export-id を使用した場合はエクスポートされるオブジェクト)
117               全体の境界枠となります。このオプションを指定すると、エクスポートされたイメージにはマージンやクロッピングがなく、ドキュメントのすべての可視オブジェクトが含まれます。EPS
118               ではこれがデフォルトのエクスポート領域となり、--export-use-hints
119               とともに使用することができます。
120
121       --export-area-snap
122               PNG エクスポートにおいて、エクスポート領域を拡大方向に最も近い
123               SVG ユーザー単位 (px)
124               値にスナップします。エクスポート解像度がデフォルトの 96dpi
125               でグラフィックが最小のアンチエイリアスにピクセルスナップされた場合、エクスポートするいくつかのオブジェクトの境界枠
126               (--export-id または --export-area-drawing 指定)
127               がピクセルに揃えていない場合であっても、このスイッチで配置を維持できます。
128
129       -b COLOR, --export-background=COLOR
130               エクスポートした PNG の背景色になります。SVG
131               がサポートする色指定文字列 ("#ff007f" や "rgb(255,0,128)" など)
132               が使用できます。これを指定しない場合、Inkscape
133               のドキュメントの設定で指定された色 (sodipodi:namedview の
134               pagecolor= 属性) が使用されます。
135
136       -d DPI, --export-dpi=DPI
137               The resolution used for PNG export.  It is also used for
138               fallback rasterization of filtered objects when exporting to
139               PS, EPS, or PDF (unless you specify --export-ignore-filters to
140               suppress rasterization). The default is 96 dpi, which
141               corresponds to 1 SVG user unit (px, also called "user unit")
142               exporting to 1 bitmap pixel.  This value overrides the DPI hint
143               if used with --export-use-hints.
144
145       -e FILENAME, --export-png=FILENAME
146               PNG
147               エクスポート時のファイル名を指定します。同名のファイルが存在する場合、問い合わせなしに上書きされます。
148
149       -f FILENAME, --file=FILENAME
150               指定されたドキュメントを開きます。オプション文字 (-f)
151               は省略できます。すなわち、オプション文字が与えられていない場合は
152               -f が指定され、パラメーターはすべてファイル名とみなされます。
153
154       -g, --with-gui
155               GUI の使用を試みます (Unix の場合、$DISPLAY
156               が設定されていない場合でも X server を使用します)。
157
158       -h HEIGHT, --export-height=HEIGHT
159               生成するビットマップの高さ (ピクセル) になります。この値は
160               --export-dpi 設定 (または --export-use-hints を指定した場合の
161               DPI ヒント) より優先されます。
162
163       -i ID, --export-id=ID
164               For PNG, PS, EPS, PDF and plain SVG export, the id attribute
165               value of the object that you want to export from the document;
166               all other objects are not exported.  By default the exported
167               area is the bounding box of the object; you can override this
168               using --export-area (PNG only) or --export-area-page.
169
170       -j, --export-id-only
171               For PNG and plain SVG, only export the object whose id is given
172               in --export-id. All other objects are hidden and won't show in
173               export even if they overlay the exported object.  Without
174               --export-id, this option is ignored. For PDF export, this is
175               the default, so this option has no effect.
176
177       -l, --export-plain-svg=FILENAME
178               ドキュメントをプレーン SVG 形式にエクスポートします。sodipodi:
179               あるいは inkscape: 名前空間や RDF メタデータは破棄されます。
180
181       -x, --extension-directory
182               Inkscape
183               が使用するよう設定されている現在のエクステンションディレクトリの一覧を表示して終了します。これは外部のエクステンションがオリジナルの
184               Inkscape インストール場所を取得するために使用されます。
185
186       --verb-list
187               Inkscape で利用できる全 VERB (内部コマンド) の一覧を ID
188               順で表示します。この ID
189               はキーマップやメニューの定義で使用することができる他、--verb
190               コマンドラインオプションでも使用できます。
191
192       --verb=VERB-ID, --select=OBJECT-ID
193               これら 2 つのオプションは同時に使用し、コマンドラインから
194               Inkscape
195               を操作できる基本的なスクリプト機能を提供します。これらはコマンドライン上で、必要であれば何度でも使用でき、指定された各ドキュメント上で順番に実行されます。
196
197               --verb コマンドは指定された VERB
198               をメニューやボタンから呼び出した場合と同様に実行します。VERB
199               にダイアログがある場合はそれが表示されます。使用できる VERB ID
200               の一覧は --verb-list コマンドで確認できます。
201
202               --select コマンドは指定された ID
203               のオブジェクトを選択状態にします。様々な VERB
204               はここで指定されたオブジェクトに対して実行されます。すべての選択を解除するには
205               --verb=EditDeselect を使用します。使用できるオブジェクト ID
206               は読み込まれるドキュメントに依存します。
207
208       -p PRINTER, --print=PRINTER
209               ドキュメントを `lpr -P PRINTER'
210               で指定されたプリンターで印刷します。他に、`| COMMAND'
211               でさまざまなコマンドへリダイレクトし、`> FILENAME' で
212               PostScript
213               出力でファイルに書き出します。使用するシェルに応じた引用符で括ることを忘れないでください。
214
215               例: inkscape --print='| ps2pdf - mydoc.pdf' mydoc.svg
216
217       -t, --export-use-hints
218               エクスポートしたオブジェクトに保存されているファイル名および
219               DPI ヒントを使用します (--export-id 使用時のみ)。これらヒントは
220               Inkscape
221               内から選択範囲をエクスポートするときに自動的に設定されます。すなわち、例えば
222               Inkscape を使用してドキュメント document.svg からオブジェクト
223               ID "path231" を /home/me/shape.png に解像度 300dpi
224               でエクスポートし、ドキュメントを保存すれば、そのシェイプを同じファイル名で同じ解像度で再度エクスポートする場合は、以下の指定だけで行えます。
225
226               inkscape -i path231 -t document.svg
227
228               --export-dpi、--export-width、あるいは --export-height
229               をこのオプションと共に指定した場合は、DPI
230               ヒントは無視され、コマンドラインで指定された値が使用されます。--export-png
231               をこのオプションと共に使用した場合は、ファイル名ヒントは無視され、コマンドラインで指定されたファイル名が使用されます。
232
233       -w WIDTH, --export-width=WIDTH
234               生成されるビットマップの幅のピクセル数になります。この値は
235               --export-dpi 指定 (--export-use-hints を使用した場合は DPI
236               ヒント) より優先されます。
237
238       -y VALUE, --export-background-opacity=VALUE
239               エクスポートした PNG
240               の背景の透明度になります。指定できる値の範囲は 0.0 から 1.0
241               (0.0 が完全な透明、1.0 が完全な不透明)、あるいは 1 から 255
242               (255 が完全な不透明) のどちらかです。このオプションを指定せず
243               -b オプションも指定されなかった場合、 Inkscape
244               内のドキュメントの設定で指定された値 (sodipodi:namedview の
245               inkscape:pageopacity=
246               属性)が使用されます。このオプションを指定せずに -b
247               オプションが指定された場合、255 (完全な不透明) とみなされます。
248
249       -P FILENAME, --export-ps=FILENAME
250               ドキュメントを PostScript (PS)
251               形式にエクスポートします。PostScript
252               は透明度をサポートしていない点に留意してください。オリジナルの
253               SVG
254               にあるいかなる透明なオブジェクトも自動的にラスタライズされます。使用しているフォントはサブセット化されて埋め込まれます。デフォルトのエクスポート領域はページになり、--export-area-drawing
255               で描画全体に指定できます。--export-id
256               でエクスポートするオブジェクトを 1 つ指定でき
257               (その他はすべてエクスポートされません)、その場合はエクスポート領域はそのオブジェクトの境界枠になりますが、--export-area-page
258               でそのページに指定できます。
259
260       -E FILENAME, --export-eps=FILENAME
261               ドキュメントを Encapsulated PostScript (EPS)
262               形式にエクスポートします。PostScript
263               は透明度をサポートしていない点に留意してください。オリジナルの
264               SVG
265               にあるいかなる透明オブジェクトも自動的にラスタライズされます。使用しているフォントはサブセット化されて埋め込まれます。デフォルトのエクスポート領域は描画全体になり、ページに指定することも出来ますが、その場合の制限事項については
266               --export-area-page を参照してください。--export-id
267               でエクスポートするオブジェクトを 1 つ指定できます
268               (その他はすべてエクスポートされません)。
269
270       -A FILENAME, --export-pdf=FILENAME
271               ドキュメントを PDF
272               形式にエクスポートします。この形式ではオリジナル SVG
273               の透明度は保持されます。使用しているフォントはサブセット化され埋め込まれます。デフォルトのエクスポート領域はページになり、--export-area-drawing
274               で描画全体に指定できます。--export-id
275               でエクスポートするオブジェクトを 1 つ指定でき
276               (その他はすべてエクスポートされません)、その場合はエクスポート領域はそのオブジェクトの境界枠になりますが、--export-area-page
277               でそのページに指定できます。"
278
279       --export-pdf-version=PDF-VERSION
280               Select the PDF version of the exported PDF file. This option
281               basically exposes the PDF version selector found in the PDF-
282               export dialog of the GUI. You must provide one of the versions
283               from that combo-box, e.g. "1.4". The default pdf export version
284               is "1.4".
285
286       --export-latex
287               (PS、EPS、および PDF エクスポート用) LaTeX
288               ドキュメント用のイメージを作成し、イメージ内のテキストは LaTeX
289               によるタイプセットになります。PDF/PS/EPS
290               形式へのエクスポート時、このオプションはオリジナルの SVG を
291               PDF/PS/EPS ファイル (形式は --export-pdf などで指定) と LaTeX
292               ファイルに分割します。テキストは PDF/PS/EPS
293               ファイルには出力されず、LaTeX ファイルに出力されます。この
294               LaTeX ファイルには PDF/PS/EPS も含まれます。LaTex でこの LaTeX
295               ファイルを入力 (\input{image.tex}) すると、イメージと共に LaTeX
296               によってタイプセットされたテキストが表示されます。より詳しい情報は出力された実際の
297               LaTeX ファイルを参照してください。また、GNUPlot の `epslatex'
298               出力ターミナルも参照してください。
299
300       -T, --export-text-to-path
301               該当する場合は、テキストオブジェクトをパスに変換します
302               (PS、EPS、PDF、および SVG エクスポート用)。
303
304       --export-ignore-filters
305               ぼかしなどのフィルターが適用されたベクターオブジェクトをエクスポートするとき、フィルターを無視します
306               (PS、EPS、および PDF
307               用)。デフォルトでは、フィルターが適用されているオブジェクトは
308               --export-dpi で指定された解像度 (デフォルトは 96 dpi)
309               でラスタライズされ、その外見を維持します。
310
311       -I, --query-id
312               サイズや座標を問い合わせたいオブジェクトの ID
313               を指定します。指定がない場合、ページや viewBox
314               ではなく、描画全体 (ドキュメント内のすべてのオブジェクト)
315               の情報を返します。
316
317       -X, --query-x
318               描画全体、あるいは --query-id
319               が指定されている場合はそのオブジェクトの X
320               座標を問い合せます。返される値の単位は px (SVG ユーザー単位)
321               です。
322
323       -Y, --query-y
324               描画全体、あるいは --query-id
325               が指定されている場合はそのオブジェクトの Y
326               座標を問い合せます。返される値の単位は px (SVG ユーザー単位)
327               です。
328
329       -W, --query-width
330               描画全体、あるいは --query-id
331               が指定されている場合はそのオブジェクトの幅を問い合せます。返される値の単位は
332               px (SVG ユーザー単位) です。
333
334       -H, --query-height
335               描画全体、あるいは --query-id
336               が指定されている場合はそのオブジェクトの高さを問い合せます。返される値の単位は
337               px (SVG ユーザー単位) です。
338
339       -S, --query-all
340               SVG ドキュメント内のすべてのオブジェクトの定義されている ID、X
341               座標、Y
342               座標、幅、および高さをコンマで区切った一覧を出力します。
343
344       --shell このオプションを指定すると、Inkscape
345               は対話式のコマンドラインシェルモードで起動します。このモードでは、プロンプトでコマンドを入力すると
346               Inkscape はそれらを実行し、コマンドごとに新しく Inkscape
347               を起動する必要がありません。このモードは主にスクリプト作成やサーバー用途で役立ちます。ここでなにか新しい機能が追加されるわけではありませんが、くり返し
348               Inkscape を呼び出すコマンドラインでの作業
349               (エクスポートや変換など)
350               は直ちに実行されることでその結果が素早く得られ、メモリ消費も抑えられます。シェルモードでも各コマンドは正しく記述されなければなりませんが、プログラム名の
351               Inkscape の入力の必要ありません (例: "file.svg
352               --export-pdf=file.pdf")。
353
354       --vacuum-defs
355               SVG ファイル内の <lt>defs<gt>
356               セクションから未使用のアイテムをすべて除去します。このオプションが
357               --export-plain-svg
358               とともに指定された場合、エクスポートされるファイルに対してのみ作用します。このオプションだけ指定された場合は、指定されたファイルが修正されます。
359
360       -z, --without-gui
361               GUI を使用せず (Unix では X server
362               を使用しません)、コンソールからのみファイルを処理します。これは
363               -p、-e、-l、および --vacuum-defs
364               オプションでの使用を想定しています。
365
366       --g-fatal-warnings
367               この標準 GTK オプションは、通常問題のないあらゆる警告でも
368               Inkscape を中断します (デバッグ用)。
369
370       --usage 簡単なオプションの一覧を表示します。
371

設定

373       主たる構成設定ファイルは ~/.config/inkscape/preferences.xml
374       にあります。この中には Inkscape をカスタマイズする様々な設定情報
375       (そのほとんどは Inkscape の設定ダイアログにあります)
376       があり、そのサブディレクトリには以下のようなカスタム情報を格納できます:
377
378       $HOME/.config/inkscape/extensions/ - エクステンション エフェクト
379
380       $HOME/.config/inkscape/icons/ - アイコン
381
382       $HOME/.config/inkscape/keys/ - キーボードマップ
383
384       $HOME/.config/inkscape/templates/ - 新規ファイルのテンプレート
385

返り値

387       このプログラムは正常に終了するとゼロを返し、異常終了すると非ゼロを返します。
388
389       様々なエラーあるいは警告メッセージが STDERR または STDOUT
390       に出力されます。このプログラムが特定の SVG
391       において不規則な挙動を示す場合は、この出力を参照することで問題解決に役立ちます。
392

394       Inkscape は GUI
395       アプリケーションとして開発されていますが、コマンドラインで SVG
396       を処理するためにも使用できます。
397
398       GUI で SVG ファイルを開く:
399
400           inkscape filename.svg
401
402       SVG ファイルをコマンドラインから印刷する:
403
404           inkscape filename.svg -p '| lpr'
405
406       SVG ファイルをデフォルトの解像度である 96dpi で PNG にエクスポートする
407       (1 SVG ユーザー単位は 1 ビットマップピクセルに変換されます):
408
409           inkscape filename.svg --export-png=filename.png
410
411       同様の処理で出力サイズを 600x400 ピクセルにする:
412
413           inkscape filename.svg --export-png=filename.png -w600 -h400
414
415       同様の処理で、ページではなく描画全体 (すべてのオブジェクトの境界枠)
416       をエクスポートする:
417
418           inkscape filename.svg --export-png=filename.png --export-area-drawing
419
420       オブジェクト "text1555" を PNG
421       にエクスポートする。出力ファイル名および解像度は、そのオブジェクトが最後に
422       GUI からエクスポートされた時の指定を利用する:
423
424           inkscape filename.svg --export-id=text1555 --export-use-hints
425
426       同様の処理を、解像度はデフォルトの
427       96dpi、ファイル名を指定、およびエクスポート領域を拡大方向に最も近い SVG
428       ユーザー単位 (px) 値にスナップして行う:
429
430           inkscape filename.svg --export-id=text1555 --export-png=text.png --export-area-snap
431
432       Inkscape SVG ドキュメントをプレーン SVG へ変換する:
433
434           inkscape filename1.svg --export-plain-svg=filename2.svg
435
436       SVG ドキュメントを EPS へ変換する。すべてのテキストはパスへ変換する:
437
438           inkscape filename.svg --export-eps=filename.eps --export-text-to-path
439
440       オブジェクトID "text1555" の幅を問い合わせる:
441
442           inkscape filename.svg --query-width --query-id text1555
443
444       オブジェクト ID "text1555" の複製を作成し、その複製を 90°回転し、SVG
445       に保存して終了する:
446
447           inkscape filename.svg --select=path1555 --verb=EditDuplicate --verb=ObjectRotate90 --verb=FileSave --verb=FileClose
448

環境変数

450       DISPLAY デフォルトのホストおよびディスプレイ番号を指定します。
451
452       TMPDIR
453       一時ファイル用ディレクトリのデフォルトパスを指定します。ディレクトリは存在していなければなりません。
454
455       INKSCAPE_PROFILE_DIR to set the path of the directory to use for the
456       user profile.
457

テーマ

459       読み込むアイコンセットは $HOME/.config/inkscape/icons/
460       配下から参照され、存在しない場合はシステムデフォルトの
461       $PREFIX/share/inkscape/icons/icons.svg
462       が読み込まれます。アイコンはその名前で読み込まれ (例:
463       fill_none.svg)、見つからないときに icons.svg
464       から使用されます。どのアイコンもどちらの場所からも見つからない場合は、システムデフォルトの場所にフォールバックします。
465
466       必要なアイコンは SVG ファイルから SVG ID
467       がアイコン名とマッチするものが読み込まれます (例えば "fill_none"
468       アイコンをファイルから読み込むときは、fill_none.svg か、それがなければ
469       icons.svg から SVG ID "fill_none"
470       の境界枠がアイコンとして描画されます)。
471

その他

473       Inkscape に関する公式の情報は http://www.inkscape.org/
474       にあります。このウェブサイトには、ニュース、ドキュメント、チュートリアル、作例、メーリングリスト書庫、最新バージョンのプログラム、バグおよび機能要望のデータベース、フォーラムなどがあります。
475

関連項目

477       potrace, cairo, rsvg(1), batik, ghostscript, pstoedit.
478
479       SVG 準拠テストスイート: http://www.w3.org/Graphics/SVG/Test/
480
481       SVG 検証: http://jiggles.w3.org/svgvalidator/
482
483       Scalable Vector Graphics (SVG) 1.1 Specification W3C Recommendation 14
484       January 2003 <http://www.w3.org/TR/SVG11/>
485
486       Scalable Vector Graphics (SVG) 1.2 Specification W3C Working Draft 13
487       November 2003 <http://www.w3.org/TR/SVG12/>
488
489       SVG 1.1/1.2/2.0 Requirements W3C Working Draft 22 April 2002
490       <http://www.w3.org/TR/SVG2Reqs/>
491
492       Document Object Model (DOM): Level 2 Core Arnaud Le Hors et al editors,
493       W3C <http://www.w3.org/TR/DOM-Level-2-Core/>
494

GUI 情報

496       Inkscape の GUI
497       操作について学ぶには、「ヘルプ」>「チュートリアル」配下にあるチュートリアルを参照してください。
498
499       Inkscape は SVG 以外にも、ほとんどのビットマップ形式
500       (PNG、BMP、JPG、XPM、GIF など)、プレーンテキスト (Perl が必要)、PS
501       および EPS (Ghostscript が必要)、PDF および AI 形式 (AI バージョン 9.0
502       以降) をインポートできます (「ファイル」>「インポート」)。
503
504       Inkscape exports 32-bit PNG images (File > Export PNG Image) as well as
505       AI, PS, EPS, PDF, DXF, and several other formats via File > Save as.
506
507       Inkscape
508       はグラフィックタブレットの筆圧および傾き検出に対応しており、カリグラフィツールなどでペンの幅、角度、および動きに利用できます。
509
510       Inkscape はビットマップトレースエンジン Potrace (http://potrace.sf.net)
511       の GUI フロントエンドを具備しています。
512
513       Inkscape は外部スクリプト (標準入力から標準出力へのフィルター)
514       を使用でき、それらは「エクステンション」メニューに表示されます。スクリプトはパラメーター設定のための
515       GUI
516       ダイアログを持つことができ、コマンドラインを通して作用する選択オブジェクトの
517       ID を取得することができます。Inkscape は Python
518       で書かれたエフェクトを各種取り揃えています。
519

キーバインド

521       キーボードとマウスショートカットの完全なリストは、doc/keys.html
522       か「ヘルプ」メニューの「キーとマウスのリファレンス」から参照できます。
523

バグ

525       多くのバグが報告されています。ウェブサイト (inkscape.org)
526       から報告されたものを参照し、新しく発見した問題を報告してください。お使いのバージョンのリリースノート内の
527       Known Issues (既知の問題) セクションも参照してください。
528

著者

530       このコードベースは、様々な形の貢献によって成り立っています。以下のリストが完全でないことは確かなのですが、このアプリケーションが多くの方々に協力していただいていることを知るのに役立ちます。
531
532       Maximilian Albert, Joshua A. Andler, Tavmjong Bah, Pierre Barbry-Blot,
533       Jean-François Barraud, Campbell Barton, Bill Baxter, John Beard, John
534       Bintz, Arpad Biro, Nicholas Bishop, Joshua L. Blocher, Hanno Böck,
535       Tomasz Boczkowski, Henrik Bohre, Boldewyn, Daniel Borgmann, Bastien
536       Bouclet, Hans Breuer, Gustav Broberg, Christopher Brown, Marcus
537       Brubaker, Luca Bruno, Brynn (brynn@inkscapecommunity.com), Nicu
538       Buculei, Bulia Byak, Pierre Caclin, Ian Caldwell, Gail Carmichael, Ed
539       Catmur, Chema Celorio, Jabiertxo Arraiza Cenoz, Johan Ceuppens,
540       Zbigniew Chyla, Alexander Clausen, John Cliff, Kees Cook, Ben Cromwell,
541       Robert Crosbie, Jon Cruz, Aurélie De-Cooman, Kris De Gussem, Milosz
542       Derezynski, Daniel Díaz, Bruno Dilly, Larry Doolittle, Nicolas Dufour,
543       Tim Dwyer, Maxim V. Dziumanenko, Johan Engelen, Miklos Erdelyi, Ulf
544       Erikson, Noé Falzon, Frank Felfe, Andrew Fitzsimon, Edward Flick,
545       Marcin Floryan, Fred, Ben Fowler, Cedric Gemy, Steren Giannini, Olivier
546       Gondouin, Ted Gould, Toine de Greef, Michael Grosberg, Bryce
547       Harrington, Dale Harvey, Aurélio Adnauer Heckert, Carl Hetherington,
548       Jos Hirth, Hannes Hochreiner, Thomas Holder, Joel Holdsworth,
549       Christoffer Holmstedt, Alan Horkan, Karl Ove Hufthammer, Richard
550       Hughes, Nathan Hurst, inductiveload, Thomas Ingham, Jean-Olivier
551       Irisson, Bob Jamison, Ted Janeczko, Marc Jeanmougin, jEsuSdA, Lauris
552       Kaplinski, Lynn Kerby, Niko Kiirala, James Kilfiger, Nikita Kitaev,
553       Jason Kivlighn, Adrian Knoth, Krzysztof Kosiński, Petr Kovar, Benoît
554       Lavorata, Alex Leone, Julien Leray, Raph Levien, Diederik van Lierop,
555       Nicklas Lindgren, Vitaly Lipatov, Ivan Louette, Fernando Lucchesi
556       Bastos Jurema, Pierre-Antoine Marc, Aurel-Aimé Marmion, Colin
557       Marquardt, Craig Marshall, Ivan Masár, Dmitry G. Mastrukov, David
558       Mathog, Matiphas, Michael Meeks, Federico Mena, MenTaLguY, Aubanel
559       Monnier, Vincent Montagne, Tim Mooney, Derek P. Moore, Chris Morgan,
560       Peter Moulder, Jörg Müller, Yukihiro Nakai, Victor Navez, Christian
561       Neumair, Nick, Andreas Nilsson, Mitsuru Oka, Vinícius dos Santos
562       Oliveira, Martin Owens, Alvin Penner, Matthew Petroff, Jon Phillips,
563       Zdenko Podobny, Alexandre Prokoudine, Jean-René Reinhard, Alexey
564       Remizov, Frederic Rodrigo, Hugo Rodrigues, Juarez Rudsatz, Xavier Conde
565       Rueda, Felipe Corrêa da Silva Sanches, Christian Schaller, Marco
566       Scholten, Tom von Schwerdtner, Danilo Šegan, Abhishek Sharma, Shivaken,
567       Michael Sloan, John Smith, Boštjan Špetič, Aaron Spike, Kaushik
568       Sridharan, Ralf Stephan, Dariusz Stojek, Martin Sucha, ~suv, Pat
569       Suwalski, Adib Taraben, Hugh Tebby, Jonas Termeau, David Turner, Andre
570       Twupack, Aleksandar Urošević, Alex Valavanis, Joakim Verona, Lucas
571       Vieites, Daniel Wagenaar, Liam P. White, Sebastian Wüst, Michael
572       Wybrow, Gellule Xg, Daniel Yacob, David Yip, Masatake Yamato, Moritz
573       Eberl, Sebastian Faubel
574
575       This man page was put together by Bryce Harrington
576       <bryce@bryceharrington.org>.
577

沿革

579       後に Inkscape となるコードベースは 1999 年、GNOME
580       イラストレーターアプリケーション Gill として Raph Leiven
581       によって製作が開始されました。Gill の当初の目標は最終的に SVG
582       のすべてをサポートすることでした。Raph
583       は、ストロークとフィル、線のキャップ方式、線の連結方式、テキストなどを含む
584       PostScript ベジエイメージングモデルを実装しました。Raph の Gill
585       のウェブページは http://www.levien.com/svg/ です。Gill の開発は 2000
586       年には停滞したか、あるいは停止したようです。
587
588       次にこのコードベースは Lauris Kaplinski
589       が中心となって非常に人気のあるプログラム Sodipodi
590       に引き継がれました。コードベースは数年の作業を経ていくつかの新機能の追加、多言語サポート、Windows
591       その他の OS
592       への移植、および依存関係の整理が行われ、強力なイラストレーションプログラムになりました。
593
594       2003 年、アクティブな Sodopodi 開発者であった Bryce
595       Harrington、MenTaLguY、Nathan Hurst、および Ted Gould の 4
596       人は、コードベースにおける SVG
597       準拠やインターフェイスのルックアンドフィールに関しての異なる方向、および参加者に開かれた開発体制をとることを目的として
598       Inkscape を立ち上げました。
599
600       プロジェクトの初期には、コードの安定化と国際化に焦点がおかれ多くの作業が行われました。Sodipodi
601       から受け継がれたオリジナルのレンダラーには、数学的にまれですが所定の操作から外れたときに想定外のクラッシュを引き起こす数多くのケースが存在していました。このレンダラーは完全ではありませんが格段に安定性に優れた
602       Livarot
603       に置き換えられました。プロジェクトはまた、コードを頻繁にコミットし、ユーザーに開発中のプログラムのスナップショットを利用することを奨励する方針を採用しました。これはバグを速やかに発見し、修正の確認をユーザーが簡単に行えることに繋がりました。結果、Inkscape
604       リリースは一般に堅牢で信頼性があるという評価を得ました。
605
606       同様に、インターフェイスの国際化とローカライズに対する取り組みも行われ、世界中からの貢献を得ることに役立ちました。
607
608       Inkscape
609       はアイコン、スプラッシュスクリーン、ウェブサイトアートなどを作成や共有するツールを提供することによってオープンソース全体の視覚的な魅力に有益な影響を及ぼしました。ある意味「ただのドローイングプログラム」であるにもかかわらず、Inkscape
610       は、より多くの人々にオープンソースについての視覚的刺激を与える重要な役割を担っています。
611

著作権およびライセンス

613       Copyright (C) 1999–2015 by Authors.
614
615       Inkscape はフリーソフトウェアです。あなたは GPL
616       の示す条件下においてこのプログラムを配布および/または変更できます。
617
618
619
6200.92.2                            2018-04-11                       INKSCAPE(1)
Impressum