1INKSCAPE(1)                Inkscape Commands Manual                INKSCAPE(1)
2
3
4

名前

6       Inkscape - SVG (Scalable Vector Graphics) 編集プログラム
7

書式

9       "inkscape [options] [filename ...]"
10
11       options:
12
13           -?, --help
14               --usage
15           -V, --version
16
17           -f, --file=FILENAME
18
19           -e, --export-png=FILENAME
20           -a, --export-area=x0:y0:x1:y1
21           -C, --export-area-page
22           -D, --export-area-drawing
23               --export-area-snap
24           -i, --export-id=ID
25           -j, --export-id-only
26           -t, --export-use-hints
27           -b, --export-background=COLOR
28           -y, --export-background-opacity=VALUE
29           -d, --export-dpi=DPI
30           -w, --export-width=WIDTH
31           -h, --export-height=HEIGHT
32
33           -P, --export-ps=FILENAME
34           -E, --export-eps=FILENAME
35           -A, --export-pdf=FILENAME
36               --export-pdf-version=VERSION-STRING
37               --export-latex
38
39               --export-ps-level={2,3}
40
41           -T, --export-text-to-path
42               --export-ignore-filters
43
44           -l, --export-plain-svg=FILENAME
45
46           -p, --print=PRINTER
47
48           -I, --query-id=ID
49           -X, --query-x
50           -Y, --query-y
51           -W, --query-width
52           -H, --query-height
53           -S, --query-all
54
55           -x, --extension-directory
56
57               --verb-list
58               --verb=VERB-ID
59               --select=OBJECT-ID
60
61               --shell
62
63           -g, --with-gui
64           -z, --without-gui
65
66               --vacuum-defs
67               --no-convert-text-baseline-spacing
68
69               --g-fatal-warnings
70

説明

72       Inkscape Adobe IllustratorCorelDrawXara Xtreme
73       などと同等の機能を持つ Scalable Vector Graphics (SVG)
74       形式の描画ファイル用 GUI エディターです。Inkscape
75       は多彩なシェイプ、ベジエパス、フリーハンド描画、複数行テキスト、パス上テキスト、アルファブレンディング、任意のアフィン変換、グラデーションおよびパターンフィル、ノード編集、PNG
76       や PDF
77       を含む多くのファイル形式に対応するインポートおよびエクスポート、グループ化、レイヤー、ライブクローンなど多くの機能を具備しています。そのインターフェイスは熟練ユーザーにとって快適で効率的であるとともに、GNOME
78       標準にも準拠するよう設計されてもいるため、他の GNOME
79       アプリケーションをよく知るユーザーであれば慣れるまでに多くの時間を必要としません。
80
81       SVG は W3C 標準の 2D ベクターグラフィック用 XML
82       フォーマットです。描画内でポイント、パス、および基本シェイプを使用してオブジェクトを定義できます。配色、フォント、ストローク幅などは
83       `style' 属性としてオブジェクトに指定されます。SVG
84       は、標準であること、そのファイルは text/xml
85       であることを意図しているため、多くのプログラムと、そして幅広い用途での利用が可能です。
86
87       Inkscape は SVG
88       をその内部フォーマットとして採用しており、オープンソースコミュニティにおいてもっとも
89       SVG に準拠したドローイングプログラムになることを目標としています。
90

オプション

92       -?, --help
93               ヘルプメッセージを表示します。
94
95       -V, --version
96               Inkscape のバージョンとビルド日時を表示します。
97
98       -a x0:y0:x1:y1, --export-area=x0:y0:x1:y1
99               PNG エクスポートにおいて、エクスポートする領域を SVG
100               ユーザー単位 (通常 Inkscape SVG 内で使用されている長さの単位)
101               で指定します。デフォルトではドキュメント全体をエクスポートします。座標
102               (0,0) は左下の角になります。
103
104       -C, --export-area-page
105               SVG、PNG、PDF、PS、および EPS
106               エクスポートにおいて、エクスポート領域はそのページになります。これは
107               SVG、PNG、PDF、および PS ではデフォルトになるため、--export-id
108               を使用して指定オブジェクトをエクスポートする場合を除き指定する必要はありません。対して
109               EPS ではこれはデフォルトになりません。さらに EPS
110               では、形式の指定において境界枠を内容より拡大することができません。これは、EPS
111               エクスポート時に --export-area-page
112               を使用した場合、ページの内容が境界枠より小さいと境界枠もそれに合わせて小さくなることを意味します。
113
114       -D, --export-area-drawing
115               SVG、PNG、PDF、PS、および EPS
116               エクスポートにおいて、エクスポートされる領域はページではなく、その描画部分、すなわち、ドキュメント内のすべてのオブジェクト
117               (--export-id を使用した場合はエクスポートされるオブジェクト)
118               全体の境界枠となります。このオプションを指定すると、エクスポートされたイメージにはマージンやクロッピングがなく、ドキュメントのすべての可視オブジェクトが含まれます。EPS
119               ではこれがデフォルトのエクスポート領域となり、--export-use-hints
120               とともに使用することができます。
121
122       --export-area-snap
123               PNG エクスポートにおいて、エクスポート領域を拡大方向に最も近い
124               SVG ユーザー単位 (px)
125               値にスナップします。エクスポート解像度がデフォルトの 96dpi
126               でグラフィックが最小のアンチエイリアスにピクセルスナップされた場合、エクスポートするいくつかのオブジェクトの境界枠
127               (--export-id または --export-area-drawing 指定)
128               がピクセルに揃えていない場合であっても、このスイッチで配置を維持できます。
129
130       -b COLOR, --export-background=COLOR
131               エクスポートした PNG の背景色になります。SVG
132               がサポートする色指定文字列 ("#ff007f" や "rgb(255,0,128)" など)
133               が使用できます。これを指定しない場合、Inkscape
134               のドキュメントの設定で指定された色 (sodipodi:namedview の
135               pagecolor= 属性) が使用されます。
136
137       -d DPI, --export-dpi=DPI
138               The resolution used for PNG export.  It is also used for
139               fallback rasterization of filtered objects when exporting to
140               PS, EPS, or PDF (unless you specify --export-ignore-filters to
141               suppress rasterization). The default is 96 dpi, which
142               corresponds to 1 SVG user unit (px, also called "user unit")
143               exporting to 1 bitmap pixel.  This value overrides the DPI hint
144               if used with --export-use-hints.
145
146       -e FILENAME, --export-png=FILENAME
147               PNG
148               エクスポート時のファイル名を指定します。同名のファイルが存在する場合、問い合わせなしに上書きされます。
149
150       -f FILENAME, --file=FILENAME
151               指定されたドキュメントを開きます。オプション文字 (-f)
152               は省略できます。すなわち、オプション文字が与えられていない場合は
153               -f が指定され、パラメーターはすべてファイル名とみなされます。
154
155       -g, --with-gui
156               GUI の使用を試みます (Unix の場合、$DISPLAY
157               が設定されていない場合でも X server を使用します)。
158
159       -h HEIGHT, --export-height=HEIGHT
160               生成するビットマップの高さ (ピクセル) になります。この値は
161               --export-dpi 設定 (または --export-use-hints を指定した場合の
162               DPI ヒント) より優先されます。
163
164       -i ID, --export-id=ID
165               For PNG, PS, EPS, PDF and plain SVG export, the id attribute
166               value of the object that you want to export from the document;
167               all other objects are not exported.  By default the exported
168               area is the bounding box of the object; you can override this
169               using --export-area (PNG only)  or --export-area-page.
170
171       -j, --export-id-only
172               For PNG and plain SVG, only export the object whose id is given
173               in --export-id. All other objects are hidden and won't show in
174               export even if they overlay the exported object.  Without
175               --export-id, this option is ignored. For PDF export, this is
176               the default, so this option has no effect.
177
178       -l, --export-plain-svg=FILENAME
179               ドキュメントをプレーン SVG 形式にエクスポートします。sodipodi:
180               あるいは inkscape: 名前空間や RDF メタデータは破棄されます。
181
182       -x, --extension-directory
183               Inkscape
184               が使用するよう設定されている現在のエクステンションディレクトリの一覧を表示して終了します。これは外部のエクステンションがオリジナルの
185               Inkscape インストール場所を取得するために使用されます。
186
187       --verb-list
188               Inkscape で利用できる全 VERB (内部コマンド) の一覧を ID
189               順で表示します。この ID
190               はキーマップやメニューの定義で使用することができる他、--verb
191               コマンドラインオプションでも使用できます。
192
193       --verb=VERB-ID, --select=OBJECT-ID
194               これら 2 つのオプションは同時に使用し、コマンドラインから
195               Inkscape
196               を操作できる基本的なスクリプト機能を提供します。これらはコマンドライン上で、必要であれば何度でも使用でき、指定された各ドキュメント上で順番に実行されます。
197
198               --verb コマンドは指定された VERB
199               をメニューやボタンから呼び出した場合と同様に実行します。VERB
200               にダイアログがある場合はそれが表示されます。使用できる VERB ID
201               の一覧は --verb-list コマンドで確認できます。
202
203               --select コマンドは指定された ID
204               のオブジェクトを選択状態にします。様々な VERB
205               はここで指定されたオブジェクトに対して実行されます。すべての選択を解除するには
206               "--verb=EditDeselect" を使用します。使用できるオブジェクト ID
207               は読み込まれるドキュメントに依存します。
208
209               Note that the --verb command requires a GUI, and thus cannot be
210               used with the --z option.
211
212       -p PRINTER, --print=PRINTER
213               ドキュメントを `lpr -P PRINTER'
214               で指定されたプリンターで印刷します。他に、`| COMMAND'
215               でさまざまなコマンドへリダイレクトし、`> FILENAME' で
216               PostScript
217               出力でファイルに書き出します。使用するシェルに応じた引用符で括ることを忘れないでください。
218
219                   inkscape --print='| ps2pdf - mydoc.pdf' mydoc.svg
220
221       -t, --export-use-hints
222               エクスポートしたオブジェクトに保存されているファイル名および
223               DPI ヒントを使用します (--export-id 使用時のみ)。これらヒントは
224               Inkscape
225               内から選択範囲をエクスポートするときに自動的に設定されます。すなわち、例えば
226               Inkscape を使用してドキュメント document.svg からオブジェクト
227               ID "path231" を /home/me/shape.png に解像度 300dpi
228               でエクスポートし、ドキュメントを保存すれば、そのシェイプを同じファイル名で同じ解像度で再度エクスポートする場合は、以下の指定だけで行えます。
229
230                   inkscape -i path231 -t document.svg
231
232               --export-dpi、--export-width、あるいは --export-height
233               をこのオプションと共に指定した場合は、DPI
234               ヒントは無視され、コマンドラインで指定された値が使用されます。--export-png
235               をこのオプションと共に使用した場合は、ファイル名ヒントは無視され、コマンドラインで指定されたファイル名が使用されます。
236
237       -w WIDTH, --export-width=WIDTH
238               生成されるビットマップの幅のピクセル数になります。この値は
239               --export-dpi 指定 (--export-use-hints を使用した場合は DPI
240               ヒント) より優先されます。
241
242       -y VALUE, --export-background-opacity=VALUE
243               エクスポートした PNG
244               の背景の透明度になります。指定できる値の範囲は 0.0 から 1.0
245               (0.0 が完全な透明、1.0 が完全な不透明)、あるいは 1 から 255
246               (255 が完全な不透明) のどちらかです。このオプションを指定せず
247               -b オプションも指定されなかった場合、 Inkscape
248               内のドキュメントの設定で指定された値 (sodipodi:namedview の
249               inkscape:pageopacity=
250               属性)が使用されます。このオプションを指定せずに -b
251               オプションが指定された場合、255 (完全な不透明) とみなされます。
252
253       -P FILENAME, --export-ps=FILENAME
254               ドキュメントを PostScript (PS)
255               形式にエクスポートします。PostScript
256               は透明度をサポートしていない点に留意してください。オリジナルの
257               SVG
258               にあるいかなる透明なオブジェクトも自動的にラスタライズされます。使用しているフォントはサブセット化されて埋め込まれます。デフォルトのエクスポート領域はページになり、--export-area-drawing
259               で描画全体に指定できます。--export-id
260               でエクスポートするオブジェクトを 1 つ指定でき
261               (その他はすべてエクスポートされません)、その場合はエクスポート領域はそのオブジェクトの境界枠になりますが、--export-area-page
262               でそのページに指定できます。
263
264       -E FILENAME, --export-eps=FILENAME
265               ドキュメントを Encapsulated PostScript (EPS)
266               形式にエクスポートします。PostScript
267               は透明度をサポートしていない点に留意してください。オリジナルの
268               SVG
269               にあるいかなる透明オブジェクトも自動的にラスタライズされます。使用しているフォントはサブセット化されて埋め込まれます。デフォルトのエクスポート領域は描画全体になり、ページに指定することも出来ますが、その場合の制限事項については
270               --export-area-page を参照してください。--export-id
271               でエクスポートするオブジェクトを 1 つ指定できます
272               (その他はすべてエクスポートされません)。
273
274       -A FILENAME, --export-pdf=FILENAME
275               ドキュメントを PDF
276               形式にエクスポートします。この形式ではオリジナル SVG
277               の透明度は保持されます。使用しているフォントはサブセット化され埋め込まれます。デフォルトのエクスポート領域はページになり、--export-area-drawing
278               で描画全体に指定できます。--export-id
279               でエクスポートするオブジェクトを 1 つ指定でき
280               (その他はすべてエクスポートされません)、その場合はエクスポート領域はそのオブジェクトの境界枠になりますが、--export-area-page
281               でそのページに指定できます。"
282
283       --export-pdf-version=PDF-VERSION
284               Select the PDF version of the exported PDF file. This option
285               basically exposes the PDF version selector found in the PDF-
286               export dialog of the GUI. You must provide one of the versions
287               from that combo-box, e.g. "1.4". The default pdf export version
288               is "1.4".
289
290       --export-latex
291               (PS、EPS、および PDF エクスポート用) LaTeX
292               ドキュメント用のイメージを作成し、イメージ内のテキストは LaTeX
293               によるタイプセットになります。PDF/PS/EPS
294               形式へのエクスポート時、このオプションはオリジナルの SVG を
295               PDF/PS/EPS ファイル (形式は --export-pdf などで指定) と LaTeX
296               ファイルに分割します。テキストは PDF/PS/EPS
297               ファイルには出力されず、LaTeX ファイルに出力されます。この
298               LaTeX ファイルには PDF/PS/EPS も含まれます。LaTex でこの LaTeX
299               ファイルを入力 (\input{image.tex}) すると、イメージと共に LaTeX
300               によってタイプセットされたテキストが表示されます。より詳しい情報は出力された実際の
301               LaTeX ファイルを参照してください。また、GNUPlot の `epslatex'
302               出力ターミナルも参照してください。
303
304       -T, --export-text-to-path
305               該当する場合は、テキストオブジェクトをパスに変換します
306               (PS、EPS、PDF、および SVG エクスポート用)。
307
308       --export-ignore-filters
309               ぼかしなどのフィルターが適用されたベクターオブジェクトをエクスポートするとき、フィルターを無視します
310               (PS、EPS、および PDF
311               用)。デフォルトでは、フィルターが適用されているオブジェクトは
312               --export-dpi で指定された解像度 (デフォルトは 96 dpi)
313               でラスタライズされ、その外見を維持します。
314
315       -I, --query-id
316               サイズや座標を問い合わせたいオブジェクトの ID
317               を指定します。指定がない場合、ページや viewBox
318               ではなく、描画全体 (ドキュメント内のすべてのオブジェクト)
319               の情報を返します。
320
321       -X, --query-x
322               描画全体、あるいは --query-id
323               が指定されている場合はそのオブジェクトの X
324               座標を問い合せます。返される値の単位は px (SVG ユーザー単位)
325               です。
326
327       -Y, --query-y
328               描画全体、あるいは --query-id
329               が指定されている場合はそのオブジェクトの Y
330               座標を問い合せます。返される値の単位は px (SVG ユーザー単位)
331               です。
332
333       -W, --query-width
334               描画全体、あるいは --query-id
335               が指定されている場合はそのオブジェクトの幅を問い合せます。返される値の単位は
336               px (SVG ユーザー単位) です。
337
338       -H, --query-height
339               描画全体、あるいは --query-id
340               が指定されている場合はそのオブジェクトの高さを問い合せます。返される値の単位は
341               px (SVG ユーザー単位) です。
342
343       -S, --query-all
344               SVG ドキュメント内のすべてのオブジェクトの定義されている ID、X
345               座標、Y
346               座標、幅、および高さをコンマで区切った一覧を出力します。
347
348       --shell With this parameter, Inkscape will enter an interactive command
349               line shell mode. In this mode, you type in commands at the
350               prompt and Inkscape executes them, without you having to run a
351               new copy of Inkscape for each command. This feature is mostly
352               useful for scripting and server uses: it adds no new
353               capabilities but allows you to improve the speed and memory
354               requirements of any script that repeatedly calls Inkscape to
355               perform command line tasks (such as export or conversions).
356               Each command in shell mode must be a complete valid Inkscape
357               command line but without the Inkscape program name, for
358               example:
359
360                   file.svg --export-pdf=file.pdf
361
362       --vacuum-defs
363               SVG ファイル内の "<defs>"
364               セクションから未使用のアイテムをすべて除去します。このオプションが
365               --export-plain-svg
366               とともに指定された場合、エクスポートされるファイルに対してのみ作用します。このオプションだけ指定された場合は、指定されたファイルが修正されます。
367
368       --no-convert-text-baseline-spacing
369               Do not automatically fix text baselines in legacy (pre-0.92)
370               files on opening.  Inkscape 0.92 adopts the CSS standard
371               definition for the 'line-height' property, which differs from
372               past versions.  By default, the line height values in files
373               created prior to Inkscape 0.92 will be adjusted on loading to
374               preserve the intended text layout.  This command line option
375               will skip that adjustment.
376
377       -z, --without-gui
378               GUI を使用せず (Unix では X server
379               を使用しません)、コンソールからのみファイルを処理します。これは
380               -p、-e、-l、および --vacuum-defs
381               オプションでの使用を想定しています。
382
383       --g-fatal-warnings
384               この標準 GTK オプションは、通常問題のないあらゆる警告でも
385               Inkscape を中断します (デバッグ用)。
386
387       --usage 簡単なオプションの一覧を表示します。
388

設定

390       主たる構成設定ファイルは ~/.config/inkscape/preferences.xml
391       にあります。この中には Inkscape をカスタマイズする様々な設定情報
392       (そのほとんどは Inkscape の設定ダイアログにあります)
393       があり、そのサブディレクトリには以下のようなカスタム情報を格納できます:
394
395       $HOME/.config/inkscape/extensions/ - エクステンション エフェクト
396
397       $HOME/.config/inkscape/icons/ - アイコン
398
399       $HOME/.config/inkscape/keys/ - キーボードマップ
400
401       $HOME/.config/inkscape/templates/ - 新規ファイルのテンプレート
402

返り値

404       このプログラムは正常に終了するとゼロを返し、異常終了すると非ゼロを返します。
405
406       様々なエラーあるいは警告メッセージが STDERR または STDOUT
407       に出力されます。このプログラムが特定の SVG
408       において不規則な挙動を示す場合は、この出力を参照することで問題解決に役立ちます。
409

411       Inkscape は GUI
412       アプリケーションとして開発されていますが、コマンドラインで SVG
413       を処理するためにも使用できます。
414
415       GUI で SVG ファイルを開く:
416
417           inkscape filename.svg
418
419       SVG ファイルをコマンドラインから印刷する:
420
421           inkscape filename.svg -p '| lpr'
422
423       SVG ファイルをデフォルトの解像度である 96dpi で PNG にエクスポートする
424       (1 SVG ユーザー単位は 1 ビットマップピクセルに変換されます):
425
426           inkscape filename.svg --export-png=filename.png
427
428       同様の処理で出力サイズを 600x400 ピクセルにする:
429
430           inkscape filename.svg --export-png=filename.png -w600 -h400
431
432       同様の処理で、ページではなく描画全体 (すべてのオブジェクトの境界枠)
433       をエクスポートする:
434
435           inkscape filename.svg --export-png=filename.png --export-area-drawing
436
437       オブジェクト "text1555" を PNG
438       にエクスポートする。出力ファイル名および解像度は、そのオブジェクトが最後に
439       GUI からエクスポートされた時の指定を利用する:
440
441           inkscape filename.svg --export-id=text1555 --export-use-hints
442
443       同様の処理を、解像度はデフォルトの
444       96dpi、ファイル名を指定、およびエクスポート領域を拡大方向に最も近い SVG
445       ユーザー単位 (px) 値にスナップして行う:
446
447           inkscape filename.svg --export-id=text1555 --export-png=text.png --export-area-snap
448
449       Inkscape SVG ドキュメントをプレーン SVG へ変換する:
450
451           inkscape filename1.svg --export-plain-svg=filename2.svg
452
453       SVG ドキュメントを EPS へ変換する。すべてのテキストはパスへ変換する:
454
455           inkscape filename.svg --export-eps=filename.eps --export-text-to-path
456
457       オブジェクトID "text1555" の幅を問い合わせる:
458
459           inkscape filename.svg --query-width --query-id text1555
460
461       オブジェクト ID "text1555" の複製を作成し、その複製を 90°回転し、SVG
462       に保存して終了する:
463
464           inkscape filename.svg --select=path1555 --verb=EditDuplicate --verb=ObjectRotate90 --verb=FileSave --verb=FileClose
465

環境変数

467       DISPLAY デフォルトのホストおよびディスプレイ番号を指定します。
468
469       TMPDIR
470       一時ファイル用ディレクトリのデフォルトパスを指定します。ディレクトリは存在していなければなりません。
471
472       INKSCAPE_PROFILE_DIR to set the path of the directory to use for the
473       user profile.
474

テーマ

476       読み込むアイコンセットは $HOME/.config/inkscape/icons/
477       配下から参照され、存在しない場合はシステムデフォルトの
478       $PREFIX/share/inkscape/icons/icons.svg
479       が読み込まれます。アイコンはその名前で読み込まれ (例:
480       fill_none.svg)、見つからないときに icons.svg
481       から使用されます。どのアイコンもどちらの場所からも見つからない場合は、システムデフォルトの場所にフォールバックします。
482
483       必要なアイコンは SVG ファイルから SVG ID
484       がアイコン名とマッチするものが読み込まれます (例えば "fill_none"
485       アイコンをファイルから読み込むときは、fill_none.svg か、それがなければ
486       icons.svg から SVG ID "fill_none"
487       の境界枠がアイコンとして描画されます)。
488

その他

490       Inkscape に関する公式の情報は <https://www.inkscape.org/>
491       にあります。このウェブサイトには、ニュース、ドキュメント、チュートリアル、作例、メーリングリスト書庫、最新バージョンのプログラム、バグおよび機能要望のデータベース、フォーラムなどがあります。
492

関連項目

494       potrace, cairo, rsvg, batik, ghostscript, pstoedit.
495
496       SVG 準拠テストスイート:
497       <https://www.w3.org/Graphics/SVG/WG/wiki/Test_Suite_Overview>
498
499       SVG 検証: <https://validator.w3.org/>
500
501       Scalable Vector Graphics (SVG) 1.1 Specification W3C Recommendation 16
502       August 2011 <https://www.w3.org/TR/SVG11/>
503
504       Scalable Vector Graphics (SVG) 1.2 Specification W3C Working Draft 13
505       April 2005 <https://www.w3.org/TR/SVG12/>
506
507       Scalable Vector Graphics (SVG) 2 Specification W3C Candidate
508       Recommendation 15 September 2016 <https://www.w3.org/TR/SVG2/>
509
510       Document Object Model (DOM): Level 2 Core W3C Recommendation 13
511       November 2000 <https://www.w3.org/TR/DOM-Level-2-Core/>
512

GUI 情報

514       Inkscape の GUI
515       操作について学ぶには、「ヘルプ」>「チュートリアル」配下にあるチュートリアルを参照してください。
516
517       Inkscape は SVG 以外にも、ほとんどのビットマップ形式
518       (PNG、BMP、JPG、XPM、GIF など)、プレーンテキスト (Perl が必要)、PS
519       および EPS (Ghostscript が必要)、PDF および AI 形式 (AI バージョン 9.0
520       以降) をインポートできます (「ファイル」>「インポート」)。
521
522       Inkscape exports 32-bit PNG images (File > Export PNG Image) as well as
523       AI, PS, EPS, PDF, DXF, and several other formats via File > Save as.
524
525       Inkscape
526       はグラフィックタブレットの筆圧および傾き検出に対応しており、カリグラフィツールなどでペンの幅、角度、および動きに利用できます。
527
528       Inkscape はビットマップトレースエンジン Potrace
529       (<http://potrace.sf.net>) の GUI フロントエンドを具備しています。
530
531       Inkscape は外部スクリプト (標準入力から標準出力へのフィルター)
532       を使用でき、それらは「エクステンション」メニューに表示されます。スクリプトはパラメーター設定のための
533       GUI
534       ダイアログを持つことができ、コマンドラインを通して作用する選択オブジェクトの
535       ID を取得することができます。Inkscape は Python
536       で書かれたエフェクトを各種取り揃えています。
537

キーバインド

539       キーボードとマウスショートカットの完全なリストは、doc/keys.html
540       か「ヘルプ」メニューの「キーとマウスのリファレンス」から参照できます。
541

バグ

543       多くのバグが報告されています。ウェブサイト
544       (<https://www.inkscape.org/>)
545       から報告されたものを参照し、新しく発見した問題を報告してください。お使いのバージョンのリリースノート内の
546       Known Issues (既知の問題) セクションも参照してください。
547

著者

549       このコードベースは、様々な形の貢献によって成り立っています。以下のリストが完全でないことは確かなのですが、このアプリケーションが多くの方々に協力していただいていることを知るのに役立ちます。
550
551       Maximilian Albert, Joshua A. Andler, Tavmjong Bah, Pierre Barbry-Blot,
552       Jean-François Barraud, Campbell Barton, Bill Baxter, John Beard, John
553       Bintz, Arpad Biro, Nicholas Bishop, Joshua L. Blocher, Hanno Böck,
554       Tomasz Boczkowski, Henrik Bohre, Boldewyn, Daniel Borgmann, Bastien
555       Bouclet, Hans Breuer, Gustav Broberg, Christopher Brown, Marcus
556       Brubaker, Luca Bruno, Brynn (brynn@inkscapecommunity.com), Nicu
557       Buculei, Bulia Byak, Pierre Caclin, Ian Caldwell, Gail Carmichael, Ed
558       Catmur, Chema Celorio, Jabiertxo Arraiza Cenoz, Johan Ceuppens,
559       Zbigniew Chyla, Alexander Clausen, John Cliff, Kees Cook, Ben Cromwell,
560       Robert Crosbie, Jon Cruz, Aurélie De-Cooman, Kris De Gussem, Milosz
561       Derezynski, Daniel Díaz, Bruno Dilly, Larry Doolittle, Nicolas Dufour,
562       Tim Dwyer, Maxim V. Dziumanenko, Johan Engelen, Miklos Erdelyi, Ulf
563       Erikson, Noé Falzon, Frank Felfe, Andrew Fitzsimon, Edward Flick,
564       Marcin Floryan, Fred, Ben Fowler, Cedric Gemy, Steren Giannini, Olivier
565       Gondouin, Ted Gould, Toine de Greef, Michael Grosberg, Bryce
566       Harrington, Dale Harvey, Aurélio Adnauer Heckert, Carl Hetherington,
567       Jos Hirth, Hannes Hochreiner, Thomas Holder, Joel Holdsworth,
568       Christoffer Holmstedt, Alan Horkan, Karl Ove Hufthammer, Richard
569       Hughes, Nathan Hurst, inductiveload, Thomas Ingham, Jean-Olivier
570       Irisson, Bob Jamison, Ted Janeczko, Marc Jeanmougin, jEsuSdA, Lauris
571       Kaplinski, Lynn Kerby, Niko Kiirala, James Kilfiger, Nikita Kitaev,
572       Jason Kivlighn, Adrian Knoth, Krzysztof Kosiński, Petr Kovar, Benoît
573       Lavorata, Alex Leone, Julien Leray, Raph Levien, Diederik van Lierop,
574       Nicklas Lindgren, Vitaly Lipatov, Ivan Louette, Fernando Lucchesi
575       Bastos Jurema, Pierre-Antoine Marc, Aurel-Aimé Marmion, Colin
576       Marquardt, Craig Marshall, Ivan Masár, Dmitry G. Mastrukov, David
577       Mathog, Matiphas, Patrick McDermott, Michael Meeks, Federico Mena,
578       MenTaLguY, Aubanel Monnier, Vincent Montagne, Tim Mooney, Derek P.
579       Moore, Chris Morgan, Peter Moulder, Jörg Müller, Yukihiro Nakai, Victor
580       Navez, Christian Neumair, Nick, Andreas Nilsson, Mitsuru Oka, Vinícius
581       dos Santos Oliveira, Martin Owens, Alvin Penner, Matthew Petroff, Jon
582       Phillips, Zdenko Podobny, Alexandre Prokoudine, Jean-René Reinhard,
583       Alexey Remizov, Frederic Rodrigo, Hugo Rodrigues, Juarez Rudsatz,
584       Xavier Conde Rueda, Felipe Corrêa da Silva Sanches, Christian Schaller,
585       Marco Scholten, Tom von Schwerdtner, Danilo Šegan, Abhishek Sharma,
586       Shivaken, Michael Sloan, John Smith, Boštjan Špetič, Aaron Spike,
587       Kaushik Sridharan, Ralf Stephan, Dariusz Stojek, Martin Sucha, ~suv,
588       Pat Suwalski, Adib Taraben, Hugh Tebby, Jonas Termeau, David Turner,
589       Andre Twupack, Aleksandar Urošević, Alex Valavanis, Joakim Verona,
590       Lucas Vieites, Daniel Wagenaar, Liam P. White, Sebastian Wüst, Michael
591       Wybrow, Gellule Xg, Daniel Yacob, David Yip, Masatake Yamato, Moritz
592       Eberl, Sebastian Faubel
593
594       This man page was put together by Bryce Harrington
595       <bryce@bryceharrington.org>.
596

沿革

598       後に Inkscape となるコードベースは 1999 年、GNOME
599       イラストレーターアプリケーション Gill として Raph Leiven
600       によって製作が開始されました。Gill の当初の目標は最終的に SVG
601       のすべてをサポートすることでした。Raph
602       は、ストロークとフィル、線のキャップ方式、線の連結方式、テキストなどを含む
603       PostScript ベジエイメージングモデルを実装しました。Raph の Gill
604       のウェブページは <http://www.levien.com/svg/> です。Gill の開発は 2000
605       年には停滞したか、あるいは停止したようです。
606
607       次にこのコードベースは Lauris Kaplinski
608       が中心となって非常に人気のあるプログラム Sodipodi
609       に引き継がれました。コードベースは数年の作業を経ていくつかの新機能の追加、多言語サポート、Windows
610       その他の OS
611       への移植、および依存関係の整理が行われ、強力なイラストレーションプログラムになりました。
612
613       2003 年、アクティブな Sodopodi 開発者であった Bryce
614       Harrington、MenTaLguY、Nathan Hurst、および Ted Gould の 4
615       人は、コードベースにおける SVG
616       準拠やインターフェイスのルックアンドフィールに関しての異なる方向、および参加者に開かれた開発体制をとることを目的として
617       Inkscape を立ち上げました。
618
619       プロジェクトの初期には、コードの安定化と国際化に焦点がおかれ多くの作業が行われました。Sodipodi
620       から受け継がれたオリジナルのレンダラーには、数学的にまれですが所定の操作から外れたときに想定外のクラッシュを引き起こす数多くのケースが存在していました。このレンダラーは完全ではありませんが格段に安定性に優れた
621       Livarot
622       に置き換えられました。プロジェクトはまた、コードを頻繁にコミットし、ユーザーに開発中のプログラムのスナップショットを利用することを奨励する方針を採用しました。これはバグを速やかに発見し、修正の確認をユーザーが簡単に行えることに繋がりました。結果、Inkscape
623       リリースは一般に堅牢で信頼性があるという評価を得ました。
624
625       同様に、インターフェイスの国際化とローカライズに対する取り組みも行われ、世界中からの貢献を得ることに役立ちました。
626
627       Inkscape
628       はアイコン、スプラッシュスクリーン、ウェブサイトアートなどを作成や共有するツールを提供することによってオープンソース全体の視覚的な魅力に有益な影響を及ぼしました。ある意味「ただのドローイングプログラム」であるにもかかわらず、Inkscape
629       は、より多くの人々にオープンソースについての視覚的刺激を与える重要な役割を担っています。
630

著作権およびライセンス

632       Copyright (C) 1999–2018 by Authors.
633
634       Inkscape is free software; you can redistribute it and/or modify it
635       under the terms of the GPL version 2 or later.
636
637
638
6390.92.4                            2019-07-25                       INKSCAPE(1)
Impressum